性行為による感染症は、性器同士の接触だけでなく口を介した性行為やキスで感染するものもあります。
血液、尿、うがい液の検査で診断できる主な感染症として下記のものがあります。
なお当院の性感染症診療は、医師が感染症を疑い、医学的に検査が必要と判断した際は保険診療。そうでない場合は自費診療となります。
性器感染(男性)
男性の場合は尿道炎として排尿時痛、膿がでるといった症状が出ます。
治療されずに放置すると淋菌は管の奥深くに進み、精巣上体炎(陰嚢の炎症)を引き起こし、無精子症になることもあります。
女性の場合は、子宮頸管炎として膿性のおりものを認めますが、40%は無症状と言われています。婦人科での診察が望ましいです。
咽頭感染(男女共通)
オーラルセックス(口での性行為)により感染しますが、無症状のことが多いです。
性器淋菌感染者の10~30%に咽頭感染があると言われています。
すべて性感染症の中で一番多い病原体です。
性器感染(男性)
男性の場合は、淋菌と同様に排尿時痛、膿がでるといった症状が出ますが、症状が軽い場合、または症状がでないこともあります。
治療されずに放置するとクラミジアは管の奥深くに進み、精巣上体炎(陰嚢の炎症)を引き起こすことがあります。
女性の場合は、子宮頸管炎として膿性のおりものを認めますが、50%は無症状とも言われています。
卵巣まで菌が広がると不妊の原因になります。婦人科での診察が望ましいです。
咽頭感染(男女共通)
オーラルセックス(口での性行為)により感染しますが、無症状のことが多いです。
当院での検査:うがい液検査(核酸増幅法)近年急激に増加傾向の感染症です。性行為(性器同士、口を介した接触)で粘膜や皮膚に直接接触することで、梅毒トレポネーマという病原体に感染します。
多くは数週間以内に性器など感染した部分に固いしこりやただれ(潰瘍)が現れますが、しばらくすると消えます。
これは治ったわけではなくその後、さらに感染が広がり、足の付け根のリンパが腫れ、手足・体に赤いできものが多数現れます。
さらに進行すると血管や神経、脳に異常を来して治療しても後遺症を残す可能性があります。
なお梅毒に感染すると粘膜に炎症をおこし、HIVにも感染しやすくなります。
(感染して数週間は検査が陽性にならないことがあります)
(三重県庁ホームページより)
輸血や針刺し事故、性行為によりHIV(ヒト免疫不全ウイルス)が感染します。
感染するとHIVは体内で増殖して数週間後には熱やのどの痛み、頭痛などなんらかの症状がみられると言われますが、決まった症状でないため、症状で感染したかどうかは判断できません。
その後、数年間無症状の状態が続きますがHIVの増殖は進んでおり、正常な免疫細胞が減っていくことで免疫不全状態となり、普段はかかることのない病気にかかりやすくなります(エイズの発症)。
(感染して数週間は検査が陽性にならないことがあります)