精液の通り道である精管とそれに連なる血管がねじれて精巣への血流が妨げられる状態です。突然片側の陰嚢や鼠径部に強い痛みを生じます。ねじれの程度にもよりますが、解除されずにねじれた状態が数時間から1日続くと精巣は壊死(組織が死んでしまう)します。好発年齢は生まれてすぐと、10歳代です。
発症すると時間との勝負になるため思春期前後の若い男性が急に陰嚢あたりの強い痛みを感じた時にはすぐに医療機関(泌尿器科)を受診すべきです。
他に陰嚢が痛くなる病気としては精巣上体炎や精巣垂捻転(精巣の付属器のねじれ。保存的に観察する)などがあり、これらとの鑑別(見極め)が重要です。
視診・触診で精巣の位置や反射をみて、尿検査で感染の所見がないか、超音波検査で精巣の血流をみます。
精巣捻転の可能性があれば原則緊急手術を行います。陰嚢を切開してねじれがあるどうかと精巣の色調をみます。ねじれがあればそれを解除して精巣の色が正常に回復するか確認します。一定時間が経ち、精巣が壊死してしまっている場合には精巣を摘出することがあります。